タイとベトナムの税制・所得税・法人税の違いを解説!

東南アジアでビジネスを展開する際、税制の違いは重要なポイントになります。タイとベトナムは、どちらも外国企業や投資家にとって魅力的な市場ですが、税制や税率には大きな違いがあります。本記事では、所得税、法人税、消費税(VAT)などの主要な税制を比較し、それぞれの国の特徴を解説します。
目次
1. タイとベトナムの税制の基本概要
タイの税制の特徴
✔ タイはシンプルな税制で、外国企業にも優しいビジネス環境。
✔ 法人税は20%(一部の中小企業には優遇税率あり)。
✔ 個人所得税は累進課税制(0%~35%)。
✔ VAT(付加価値税)は基本7%。
✔ BOI(タイ投資委員会)による税制優遇措置がある。
ベトナムの税制の特徴
✔ ベトナムは投資誘致を目的に、特定の業種や地域で税制優遇あり。
✔ 法人税は基本20%だが、特定の業種では優遇措置あり。
✔ 個人所得税は累進課税制(5%~35%)。
✔ VAT(付加価値税)は10%が基本。
✔ 外資企業には一定の規制や特別な登録要件がある。
結論:基本的な税率は似ているが、タイの方が税制が安定しており、法人向けの優遇措置が整っている。
2. 所得税の比較(個人所得税)
所得税率 | タイ(THB) | ベトナム(VND) |
---|---|---|
~150,000 | 0% | 5% |
150,001~300,000 | 5% | 10% |
300,001~500,000 | 10% | 15% |
500,001~750,000 | 15% | 20% |
750,001~1,000,000 | 20% | 25% |
1,000,001~2,000,000 | 25% | 30% |
2,000,001以上 | 30%~35% | 35% |
✔ タイは年収150,000バーツ(約67万円)以下が非課税。
✔ ベトナムは5%からスタートし、1500万VND(約90,000円)以上で10%課税。
✔ 高所得層ではタイとベトナムの税率はほぼ同じ。
結論:低所得者にとってはタイの税制が有利。
3. 法人税の比較(企業向けの税制)
法人税率 | タイ | ベトナム |
基本法人税 | 20% | 20% |
中小企業向け優遇税率 | 15%(一定の条件あり) | 10%(特定の業種・地域で適用) |
特定業種の優遇税率 | BOI認定企業は5~10年法人税免除 | 一部のハイテク産業は10%(15年間) |
✔ タイはBOI優遇制度を活用すれば法人税が免除されるケースも。
✔ ベトナムも一部の特定業種で長期間の低税率(10%)が適用される。
✔ 両国とも基本税率は20%だが、ベトナムはより厳格な会計処理が必要。
結論:タイは投資委員会(BOI)による優遇措置が強力、ベトナムは一部の産業で低税率が適用される。
4. 付加価値税(VAT)とその他の税金
VAT(付加価値税)の比較
項目 | タイ | ベトナム |
基本税率 | 7% | 10% |
軽減税率 | 一部のサービスは0% | 一部の輸出品は5% |
免税対象 | 医療、教育 | 医療、教育、農産物 |
✔ タイのVATは7%で、ベトナム(10%)より低い。
✔ 両国とも輸出向けのサービスには軽減税率や免税措置がある。
✔ ベトナムはVAT還付制度があり、企業にとって管理が必要。
結論:VAT(付加価値税)はタイの方が低く、企業にとっては有利。
5. まとめ:どちらがビジネスや個人に有利?
タイとベトナムの税制を比較すると、それぞれにメリット・デメリットがあります。
✔ 個人所得税の優遇があるのはタイ(低所得者向けの非課税枠が広い)
✔ 法人税は両国とも20%だが、タイはBOI優遇措置が充実
✔ VAT(付加価値税)はタイが7%、ベトナムが10%で、タイの方が低い
✔ ベトナムは一部の産業で法人税が10%になる優遇制度あり
✔ 税制の安定性ではタイが優位
結論:
- 個人で働くならタイの税制が有利。
- ビジネス投資なら、税制優遇次第でどちらも選択肢に。
- 税率の低さと税制の分かりやすさを考えると、タイの方が外国企業にとっては有利。
ビジネス展開や移住を考えている方は、自身の状況や業種に応じて最適な国を選びましょう!