ベトナムのコーヒー文化:エッグコーヒーから塩コーヒーまで

1. はじめに

ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国であり、独自のコーヒー文化を持つ国のひとつです。フランス植民地時代にコーヒー文化が根付いて以来、ベトナムでは独自のアレンジが加えられたユニークなコーヒードリンクが生まれました。本記事では、ベトナムで人気のコーヒーとその特徴について紹介します。

2. ベトナムコーヒーの特徴

2.1 ロブスタ種が主流

ベトナムのコーヒーの多くはロブスタ種で、苦みが強く、カフェイン含有量が高いのが特徴です。そのため、コンデンスミルクや卵黄を加えるなど、独特の飲み方が発展しました。

2.2 フィルターコーヒー(カフェ・フィン)

ベトナムでは、伝統的に**「フィン(Phin)」**と呼ばれる金属製フィルターを使い、ゆっくりと抽出するスタイルが一般的です。この方法により、濃厚で深みのある味わいが生まれます。

3. ベトナムで楽しめるユニークなコーヒー

3.1 エッグコーヒー(Cà Phê Trứng)

エッグコーヒーは、1946年にハノイのカフェ「Giac Vien」で誕生したベトナムの代表的なコーヒードリンクです。

  • 特徴:卵黄、コンデンスミルク、砂糖を泡立て、濃いコーヒーの上にのせたもの。
  • 味わい:クリーミーでデザートのような味わい。
  • おすすめの場所:ハノイの**Café Giảng(カフェ・ザン)**が発祥の店。

3.2 塩コーヒー(Cà Phê Muối)

塩コーヒーは、ベトナム中部のフエ(Huế)で生まれた独特のコーヒーです。

  • 特徴:コンデンスミルクに塩を加えて、コーヒーの苦みを引き立てる。
  • 味わい:ほのかに塩気があり、キャラメルのような甘さとコクが楽しめる。
  • おすすめの場所:フエの**Cà Phê Muối(塩コーヒーカフェ)**が有名。

3.3 ヨーグルトコーヒー(Cà Phê Sữa Chua)

ベトナムではヨーグルトも人気があり、コーヒーと組み合わせた飲み方が生まれました。

  • 特徴:ヨーグルトの酸味とコーヒーの苦みの絶妙なバランス。
  • 味わい:クリーミーでデザート感覚。
  • おすすめの場所:ハノイやホーチミンのカフェで提供されている。

3.4 ココナッツコーヒー(Cà Phê Dừa)

南国らしい味わいを楽しめるココナッツコーヒーも人気です。

  • 特徴:コーヒーにココナッツミルクと練乳を加えたもの。
  • 味わい:ココナッツの香りと甘みが広がる爽やかな味。
  • おすすめの場所:ホーチミンのカフェCong Caphe(コンカフェ)

3.5 ベトナム伝統のアイスコーヒー(Cà Phê Sữa Đá)

ベトナムで最も一般的な飲み方は、練乳入りアイスコーヒーです。

  • 特徴:濃いコーヒーをコンデンスミルクで甘くし、氷を加える。
  • 味わい:甘くて濃厚、すっきりとした後味。
  • おすすめの場所:ローカルカフェや屋台で気軽に楽しめる。

4. ベトナムコーヒーの楽しみ方

4.1 フィルターコーヒーの淹れ方

ベトナム式コーヒーを自宅で楽しむには、フィンフィルターを使うのがおすすめです。

  1. コーヒー粉をフィルターに入れる。
  2. お湯を注ぎ、ゆっくりと抽出する。
  3. コンデンスミルクや氷を加えて好みのスタイルで楽しむ。

4.2 カフェ巡り

ベトナムにはコーヒー文化を楽しめる名店が数多くあります。

  • Café Giảng(ハノイ):エッグコーヒー発祥の店。
  • Cong Caphe(全国展開):レトロな雰囲気のカフェチェーン。
  • The Workshop(ホーチミン):本格的なスペシャルティコーヒーが楽しめる。

5. まとめ

ベトナムのコーヒー文化は、単なる飲み物を超えたユニークな体験を提供します。エッグコーヒーのクリーミーな味わいや、塩コーヒーの絶妙なバランス、ヨーグルトやココナッツを使った新しいスタイルまで、多彩なコーヒーが楽しめます。ベトナムを訪れた際は、ぜひ現地のカフェでこの特別なコーヒー文化を味わってみてください!

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