ベトナムのデザート文化|伝統スイーツから最新トレンドまで徹底紹介

1. はじめに|甘い時間が流れる国、ベトナム

ベトナムは、フォーやバインミーなどの食文化で知られていますが、実はデザート天国でもあります。
伝統的なスイーツから、フランス文化の影響を受けた洋菓子、そしてトロピカルフルーツを使った南国スイーツまで、その種類は実に豊富。

「食後のデザート」というよりも、日常の中で気軽に楽しむ“おやつ文化”が根付いているのもベトナムの特徴です。

2. ベトナムのデザート文化の特徴

🧁 ① 素朴で優しい甘さ

ベトナムのデザートは、砂糖だけでなくココナッツミルクやパームシュガーなど自然の甘味を活かします。
日本人にも馴染みやすい、控えめでやさしい味わいです。

🍌 ② フルーツ天国ならではの多様な素材

マンゴー、ドラゴンフルーツ、ジャックフルーツ、ライチなど、一年中フルーツが豊富
そのまま食べるだけでなく、ジュースやスイーツにも多用されます。

🥥 ③ ココナッツ文化の影響

南部では特にココナッツが多く使われ、ミルク、果肉、ゼリー、ソースなど様々な形で登場します。

3. 絶対に食べたい!ベトナムの定番デザート10選

① チェー(Chè)

ベトナムを代表する伝統スイーツ。豆、タピオカ、寒天、フルーツなどを組み合わせた甘いデザートで、「ベトナム版あんみつ」とも呼ばれます。
温かいものから冷たいものまで種類豊富で、街中の屋台でも気軽に味わえます。

② バインフラン(Bánh Flan)

ベトナム式プリン。フランスの影響を受けたなめらかな食感が特徴で、コーヒーをかけて食べるのが人気。

③ バインボー(Bánh Bò)

蒸しパンのような食感の米粉スイーツ。ほんのり甘く、もちもちとした食感がクセになります。

④ コムルア(Cơm Dừa)

若いココナッツの中に冷やしたもち米やゼリーを入れた、見た目も可愛い南国スイーツ。

⑤ シントー(Sinh Tố)

ベトナム版スムージー。マンゴーやアボカドなど、好みのフルーツをブレンドして作るドリンクデザート。

⑥ バインチュイ(Bánh Chuối)

バナナケーキ。焼きまたは蒸しタイプがあり、香ばしいバターとバナナの香りが絶妙。

⑦ ケムココナッツ(Kem Dừa)

ココナッツの殻を器にしたアイスクリーム。ナッツやドライフルーツのトッピングが人気。

⑧ バインデー(Bánh Dày)

もち米を使った伝統菓子。お祝いの場や旧正月(テト)でも食べられる縁起の良いスイーツ。

⑨ チャオ(Cháo Ngọt)

米を甘く煮た“甘いおかゆ”。特に寒い季節に食べられる、体に優しいデザート。

⑩ コーヒーゼリー&カフェスアダー風スイーツ

濃厚なベトナムコーヒーを使ったデザートも人気上昇中。苦味と甘味のバランスが絶妙です。

4. ベトナム各地のデザート文化

🇻🇳 北部(ハノイ)

伝統的で素朴な味わいのスイーツが多い。代表例は「チェー・トロイヌック(Chè Trôi Nước)」など。

🥥 中部(フエ・ダナン)

宮廷文化の影響を受けた繊細で美しい見た目のデザートが特徴。

🌴 南部(ホーチミン)

甘くてココナッツベースのスイーツが多く、バリエーションも豊富。
屋台でも夜遅くまでデザートが楽しめます。

5. 現代のトレンド:伝統×モダンの融合

近年のホーチミンやハノイでは、伝統スイーツを現代的にアレンジした「モダンベトナムスイーツ」が人気。
カフェチェーンやパティスリーでは、チェーをグラスデザートに仕立てたり、バインフランに抹茶や黒糖を組み合わせるなど、新旧の融合が進んでいます。

SNSでも映える見た目から、若者や観光客の間で話題に。
ベトナムのデザート文化は今まさに“進化する伝統”として注目を集めています。

6. まとめ|甘いスイーツが語る“ベトナムの心”

ベトナムのデザート文化は、歴史・地域・自然の恵みが詰まった小さな芸術です。
一口食べるたびに、ココナッツの香り、豆の優しい甘さ、フルーツの爽やかさが口いっぱいに広がります。

旅行の合間に屋台でチェーを食べたり、カフェでバインフランを味わったり。
そんな甘い時間こそが、ベトナムを感じる最高の瞬間かもしれません。

(Photo by Unsplash.com)