【2025–2035最新版】ホーチミンメトロが本格始動へ|9路線の優先整備計画と2号線の起工決定を徹底解説!

2024年末にメトロ1号線が開業し、2025〜2035年はホーチミン市の都市鉄道が一気に加速する10年間になります。
市当局は総額371.5億USDを投じて優先整備する9路線を正式決定し、さらに2026年1月にはメトロ2号線が起工することが確定しました。
これはホーチミンの都市交通だけでなく、今後10〜20年の不動産価値、物流動線、観光動線が大きく変わる歴史的プロジェクトです。

この記事では、以下の最新情報をまとめます。

  • 2035年までに整備される9路線の全体像
  • 路線別の位置づけ、投資額、都市構造への影響
  • メトロ2号線の起工スケジュールとルート詳細
  • 市場、不動産、生活への影響

1. 2035年までに9路線を整備:投資額371.5億USDの巨大プロジェクト

ホーチミン市都市鉄道管理委員会(MAUR)は、2035年までに9路線(HCMC6、ビンズオン2、ブンタウ1)を優先投資すると発表。
これによりホーチミン都市圏はロンタイン国際空港、国鉄、工業団地、港湾都市と鉄道で広域接続される計画です。

2. 旧ホーチミン市エリアの6路線|都市の骨格をつくる基幹ネットワーク

L1:An Ha – Suoi Tien(約40.8km)

投資:32.8億USD|30駅|東西を貫く最重要ライン

既存1号線の拡張的な位置づけ。
アンハ(西部)からスオイティエン(東部)まで貫く基幹動脈で、郊外開発や新都心とのアクセス強化が期待されます。

L2:Thu Thiem – Cu Chi(約62.2km)

投資:27.7億USD|42駅|東の新都心から北西都市へ接続

トゥーティエム新都心と観光地クチを結ぶ広域路線。
ホーチミン都市圏の拡大をけん引する戦略ラインです。

L3:An Ha – Hiep Binh Phuoc(約45.8km)

投資:50.5億USD|西端と北東部をつなぐループの一部

西部〜北東部を結び、L6環状線との連携で都市の結節点として機能。

L4:Dong Thanh – Hiep Phuoc(約47.3km)

投資:59.6億USD|南北の工業、港湾エリアを一直線に

北部郊外から港湾都市へ伸びる南北軸の強化ライン。

L6:Inner Ring(約53.8km)

投資:80億USD超|都市を一周するメガ環状線

すべての放射線をつなぐ環状鉄道。
今後の都市構造を変える最重要プロジェクト。

Thu Thiem – Long Thanh Airport(約41.8km)

投資:32.1億USD|空港アクセスの本命ルート

ロンタイン空港へのアクセス鉄道。
都市の東西移動を劇的に改善する空港特化ライン。

3. 旧ビンズオン省(2路線)|新区の成長を後押しする通勤ライン

BD L1:Binh Duong New City – Suoi Tien(約32.4km)

投資:22.7億USD|1号線と直結する通勤路線

ビンズオン新都心〜Thu Duc区の移動が劇的に向上。

BD L2:Thu Dau Mot – HCMC(約21.9km)

投資:22.7億USD|州都とホーチミン市を結ぶ動脈

ビンズオン省の中心都市とホーチミン市を鉄道で接続。
今後の工業団地開発にも影響。

4. 旧バリア=ブンタウ省(1路線)|観光×工業×港湾を結ぶ広域ライン

VT L3:Vung Tau – Ba Ria – Phu My(約63km)

投資:48.3億USD|観光、港湾、空港を一直線に接続

  • バリア=ブンタウ省の主要都市を結ぶ広域ライン
  • ロンタイン空港への接続(約23km)も想定
    観光と工業、港湾物流を同時に強化する重要ルート。

5. メトロ2号線がついに動いた:2026年1月15日に正式起工

2025年11月、ホーチミン市人民委員会はメトロ2号線(ベンタン〜タムルオン)建設計画を正式決定。
以下が確定したスケジュールです。

  • 2026年1月15日:起工式
  • 2026年1月16日:全線で本格施工開始
  • 2030年9〜11月:試運転(3ヶ月)
  • 2030年12月:営業開始目標

長年の懸案だった2号線が、ついに実際の工事段階へ進みます。

6. メトロ2号線の基本スペック

第1期:11.6km・11駅(地下9、高架1)

ホーチミン中心部〜北西ゲートウェイを担う重要区間です。

主なルート

  • ベンタン
  • タオダン公園
  • ダンチュ
  • ホアフン
  • レ・ティ・リエン
  • ファンヴァンハイ
  • バイヒエン
  • グエンホンダオ
  • ファンヴァンバク
  • タンビン
  • タムルオン(車両基地)

幹線道路沿いに整備されるため、慢性的渋滞の改善が期待できます。

7. 資金スキームが転換:ODAからホーチミン市の公共投資へ

国会決議188/2025/QH15により、2号線はODA依存から完全に市予算方式へ切替。
これにより:

  • 手続き迅速化
  • 予算執行の安定化
  • 国際承認プロセスの削減

実行速度が大幅に上がることが期待されています。

8. 2025年は60日間の“追い込みキャンペーン”へ

MAURは2025年末までに、以下の作業を60日間で集中的に完了させると宣言。

  • フィージビリティスタディ(FS)調整
  • 環境影響評価(EIA)
  • 公共投資スキームへの切替手続
  • 入札方式、技術方式の確定
  • 管理、監督体制の整備

いよいよ施工準備の“ラストスパート”に入ります。

9. メトロ整備で街、不動産、投資はどう変わる?

1. ベンタン周辺は最強の交通ハブに進化

1号線と2号線が交差し、商業価値が大幅に向上。

2. 2号線沿いの居住人気が高まる

コンホア、チュオントンなど渋滞エリアの交通改善が進む。

3. ロンタイン空港×メトロ接続で観光と物流が加速

Thu Duc区、トゥーティエム周辺が東部の新中心へ。

4. 港湾エリアは物流効率が向上

Hiep PhuocやPhu My工業地帯の競争力が強化。

5. ブンタウ線で観光と産業が同時に発展

海の観光都市、港湾工業都市が鉄道で接続され成長。

10. まとめ:ホーチミンは2035年、東南アジア屈指の鉄道都市へ

  • 9路線に371億USD投資
  • 2号線が2026年正式起工
  • ロンタイン空港との広域接続が進む

この10年でホーチミンは都市構造が大きく変わる転換期に入ります。
交通、生活、不動産、ビジネスすべてに影響が及び、街づくりの新章が始まりました。